Relux Time

水の恵みにたっぷりと癒される時間を。

由布院・大杵社(おおごしゃ)の大杉→庄内・男池→庄内・白水鉱泉→湯平温泉の夜

由布岳を源流にした大分川は、由布市のまちをゆったりと流れながら大地も人の心も潤わせています。そんな由布市にあるたくさんの名水、湧水、温泉の中から、水の恵みたっぷりな癒しの場所をご案内します。

樹齢1000年「大杵社(おおごしゃ)の大杉」

由布院駅から南へ1キロほど、車では10分かからないくらいのところに「大杵社の大杉」はあります。県道から脇道に入り、登り坂の細い参道を登ると、石段と鳥居が見えてきます。

その鳥居のすぐ近くに2台ほど停められる駐車場もありますが、道幅は狭いのでご注意を。鳥居の両脇では、おおらかなお顔をした狛犬が出迎えてくれます。飲めるほどおいしい手水で、からだを清めてから境内に入ると、しっとりと清澄な空気の中、目の前に現れる大杉の厳かさに圧倒されます。直接木に触れることはできませんが、その威厳に満ちたパワーを十分感じることができる近さです。

樹齢1000年を超えるとも言われているこの大杉は、根元の周囲が13.3メートル、胸高周囲10.9メートル、樹高38メートルもあり、国の天然記念物に指定されています。裏に回ると根元に3畳分ほどの空洞があり、「この空洞に明治30年にゴミ焼きの火が入り、2年2ヶ月2日も燃え続け、煙が幹の30メートル上部の穴から噴出した」と伝えられています。

その後、昭和に入ってからも火事に見舞われたことがあったそうですが、それにもかかわらず大杉はさらに元気を取り戻し、今もなおこうしてそのみずみずしく生きる姿を見せてくれています。そういった何度も起こる災難にも負けない生命力の強さに、人が惹きつけられているのかもしれません。

名水「男池(おいけ)」の湧き水

大杵社から国道210号線を経由して車で約40分ほど行くと庄内町の「男池」に到着します。車を停め県道沿いにある入り口から降りて、歩道を行くと5分ほどで男池へ。

黒岳の原生林が残る深い森は、広葉樹を中心に多くの樹木、植物が群生している貴重な場所です。その豊かな森の中に湧き出る男池の湧水は、湧出量が1日約2万トン。多くのミネラルを含んだまろやかでおいしい軟水は「日本名水百選」にも選ばれています。こんこんと大地から湧く水面の揺らぎはとても美しく神秘的で、見ているだけで心が洗い流されていくようです。

その男池から下流へ遊歩道を20分ほど歩いたところに「名水の滝」があります。10メートルほどの岩斜面を2条の滝が白い水しぶきをあげて流れる、小さいながらも美しい滝です。目の前で見ることができるので、男池から湧き出た冷たい水しぶきを浴びて、夏でも涼しく気持ちよく過ごしていただけると思います。男池に来たときは黒岳の自然を楽しみながら、名水の滝まで歩くコースをおすすめします。

希少な天然炭酸水「白水鉱泉(しらみずこうせん)」

男池から車で10分ほど下ったところに、「白水鉱泉」という、日本では珍しい天然炭酸水の鉱泉(単純二酸化炭素泉)が湧き出している場所があります。水温約4度という冷たい炭酸泉は、飲むとまろやかな炭酸のはじける口あたりがありますが、市販の炭酸のように強い刺激はありません。

またミネラルなどの含有量も豊富で、その効能を求めて遠方からも多くの人が訪れています。自然から採れたての天然炭酸を味わう体験はとても貴重で新鮮なもの、一度味わってみてください。
*お持ち帰りは有料ですが、持ち帰らずにその場で飲むのは無料です。

そして最後は、やっぱり体と心に潤いを与えてくれる温泉地へ。男池から車で20分ほどで行ける「湯平温泉」へ向かいます。

歴史情緒あふれる「湯平温泉」の夜

由布院の中心地からでも車で35分ほどの「湯平温泉」は、花合野川(かごのがわ)沿いにあるとても静かな山あいの温泉地です。鎌倉時代が開湯と言われる歴史ある温泉で、江戸、明治、大正、昭和の初めまで、湯治場として栄えていた名湯としても知られています。

温泉街の中心は道路が狭く車では通れないため、車を周辺の駐車場に停めて歩いて行きます。入り口は何箇所かあるのですが「石畳通りの入り口」近くに観光案内所があるので、その入り口がおすすめです。江戸時代に敷かれた情緒たっぷりの石畳の坂道が500メートルほど続き、その両脇に温泉や宿、お店などが立ち並んでいます。脇の小道にそれると、苔むした古い階段や昔のままの変わらぬ細い路地、古びた橋などもあり、昔の町に迷いこんだような気分になります。そんな長い年月が醸し出す風情が、ほかにはまねできない湯平温泉の魅力です。

そしてもっともノスタルジックな気分に浸れるのは、夜になってから。日暮れとともに石畳に灯る赤い提灯が、なんとも言えない幻想的な雰囲気を作り出します。浴衣と下駄を借りられる宿もありますので、さらに雰囲気を添えてもいいかもしれません。花合野川の川音を聞きながら、湯上りの散歩をお楽しみください。